
私たちの5つの設計ポリシー

1.簡素 に美しく
シンプルにつくることは難しい、というと意外に思われるかもしれません。人と人・物・光、道路と敷地、隣家と計画建物 等々、多くの関係性が複雑に絡み合った設計条件を解きほぐし、再編成する。その試行錯誤の結果、シンプルで美しいかたちを導き出すことができるのです。
2.敷地を生かす
敷地にはそれぞれの個性があります。山が見える場所、自然豊かな田園地帯、街中の密集地…。その土地の個性を読み、その特長を生かす。そのために庭の植栽やアプローチの塀などを、家と一体的に計画すること。私たちが「家と庭が寄り添う」ことを大切にして設計をしているのには、そんな理由があります。
3.居心地の良さを追求する
ソファに座ったとき、キッチンに立ったとき、本を読むとき…。そこから見える光景、背後にあるもの、その場所の明るさや暗さ、感じる陰影、空間の大きさや広がり。さまざまな要素を考慮して居場所をデザインすることが、居心地の良さを生み出します。
4.経年美を生かす
永く愛着をもってくらしていく、そんな住まいを楽しんでほしいと願っています。だからこそ、“建てた時がもっとも美しく、あとは劣化するだけの家”ではなく、“建てたときからの変化を楽しめる家”にしたい、と私たちは思っています。
5.ずっと安心・安全・健康であること
ずっと安心に、永く住み続けられる。そんな家をつくり、守り続けること。それが私たちの社会的な責任であると考えています。

簡素 でコンパクトなヴォリューム
家は、住まい手のものです。しかしまた、街並みをつくる外観は、地域の人や道ゆく人たちとの共有財産でもあります。建物のかたちをデザインするポイントは、できるだけシンプルにすること、そしてコンパクトなヴォリュームにまとめること。

簡素 なディテール
相当複雑な条件があってもそれをよく考えているうちにたった一つのエレメントで、全部の条件を満足させるような原寸ができるかもしれない。(中略)それが、一番いいディテールだと思います。 吉村順三
まるで、それぞれの素材が自らの意思でその場所に納まったかのようなディテール。そんな自然で美しくシンプルな方法で家をつくりたい、と私たちは考えています。

風土に根差したデザイン
特徴的な四季があり、一年を通して雨が多い日本。冬には雪が積もり、厳しい寒さでありながら晴天の多い信州。深い軒の出や大きな窓といった“風土に根差したデザイン”を採り入れることで、シンプルでありながら普遍的な住まいをつくります。

個性を読み込む
まず1時間、その場に立ってみる。周りをスケッチしてみる。そして 朝の光を / 夜の静けさを / 雨の音や雪の景色を / 隣の家族の生活を、想像してみる。そうすることで敷地の個性がなんとなく見えてくる。そこから設計が始まるのです。

余白をデザインする
まるで、それぞれの素材が自らの意思でその場所に納まったかのようなディテール。そんな自然で美しくシンプル簡素な方法で家をつくりたい、と私たちは考えています。

風景をつくる
一軒の家を建てることは、まわりの環境を再構成し、新たな風景をつくることになります。周辺によい影響を与え、美しい風景となるような家を建てたいものです。そのために、建物高さをできるだけ低く抑えたり、道路から距離をとって木や花を植える、といった工夫をするのです。

景色をとらえる窓
新しい家で暮らし始めたときに、窓からどのような風景が見えるでしょうか。隣のお宅のエアコン室外機や給湯器ばかりでは残念です。
青く澄んだ空、遠くの山並み、近くの借景、緑の映える庭、雪化粧の坪庭。私たちは、そんな美しい景色をとらえる窓をつくりたい、と思っています。

季節を楽しむ工夫
冬は陽の光のあたたかさを、夏は夜の涼しさを。自然の力を生かした家は、居心地のいいものです。冬は大きな窓から陽の光をとり入れ、夏は夜風をとり入れる。また、旬の食材や花を愛でるように、薪ストーブやすだれによってすまいにも季節感をとり入れ楽しむことができます。

暮らしのデザイン
居間や食堂にあたる“おおらかなスペース“を成り立たせるためには、それを助ける収納や家事コーナーなどの”機能的なスペース“が必要です。”暮らしのプロ“である住まい手の要望をしっかりとヒアリングし、”設計のプロ“である私たちが暮らしをかたちにしていきます。

変化を楽しめる素材をつかう
手ざわりがよく、足にもやさしい柔らかさをもつ無垢の木。
キズやシミも味として楽しみ、愛着を深めることができます。

人を迎える木の家
外部の仕上げや玄関ポーチの床など、木をふんだんにつかうことで、住む人や客人を迎えるあたたかな素材感のアプローチとなります。

高性能な住まいを設計する
温熱環境の整った家が必要です。「自然素材を使用している家 = 健康な家」ではありません。私たちは科学的な根拠と経験に基づいた高性能な家を設計しています。

メンテナンスを大切にする
住む人も、つくる人も、愛着をもってメンテナンスしていくことが必要です。私たちは、ずっと見守る姿勢を大切にしています。定期的にオーナー様へのお伺いをさせて頂きます。