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スタッフコラム

高山寺石水院のまど

窓の語源は「間戸」、という説があります。
柱と柱の「間」に「戸」をはめるため「まど」と呼んだ、ということです。
日本の伝統的な建築の多くは、この「間戸」を開け放てば外と一体になるような空間でした。

上の写真は、京都にある高山寺石水院の「間戸」。
柱と柱に、蔀戸(しとみど)が設置されています。

外を見ると、一面の緑が広がっています
石水院が建っているのは山の上で、木の生えている場所よりも高い位置です。
そのため、人の目線からは通常見上げる程の大木が真横から見えます。
まるで木の葉の雲の中に浮かんでいるような風景です。

建築家 吉村順三先生*1は、有名な軽井沢の別荘について
「あそこで家を考えた場合に、空中に浮いた部屋がほしいと思った」*2
と言われています。
吉村先生は若かりし頃に建築をみるためにたびたび関西を訪れていたとのこと。
もしかしたら石水院も別荘のイメージに影響を与えているかも知れません。


*1 吉村順三(1908-1997)
日本を代表する建築家のひとり。
設計した美しい建築の数々は、いまでも多くの人から愛されている。


*2 『吉村順三を囲んで』TOTO出版 P.78


 

2020.04.09 update