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スタッフコラム

ほとんどの家は構造計算していないで建てられている、という事実

2012年11月に、ある記事が発表されました。
日本経済新聞の系列の建築専門誌『日経アーキテクチュア』に掲載されたもの。

その記事を要約すると…

ある大学教授が、
実際に建った木造住宅を無作為に100件選び、
その設計図を取り寄せました。
その図面をもとに構造計算をしてみたところ、
100件全てに“エラー”があった。

実際に建っている家の図面なのに、です。
*正確な記述は、下記の引用を参照してください

とくに新聞やニュースで取り上げられることもなかったようで、
ほとんどの方がご存じないと思います。

実は、平屋・2階建の木造住宅の多くが
構造計算をしないで建てられています。

というのも、3階建以上の木造や
鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの建物では
法律で義務化されている構造計算が、
平屋・2階建の木造ではそうではないからです。

日本はもともと
「木造の家は大工さんが建てる」という
文化であったため、
「大工さんの勘と経験」によって
建物の構造的強度が決まっていました。

いまでも多くの家は大工さんや
工務店さんによって建てられることが多く、
「構造計算を義務付けると、大工さんや
工務店の仕事が立ち行かなくなる」
という配慮から、
国が構造計算を義務化しておらず、
簡単なチェック(壁量計算等の仕様規定)
のみでOKという法律になっています。

住宅供給者には優しい法律かもしれませんが、
エンドユーザーには迷惑な話です。

きちんとした構造設計を行い、
安心な家を設計・施工することは
供給者としての使命だと思っています。

では
どうすれば安心な家をつくることができるか。
それは別の稿で改めて。


↓  すまいの性能について
家づくりの知恵 【2】すまいの構造


 

2019.09.19 update