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スタッフコラム

科学的に性能を評価する

構造強度や断熱仕様について、かつては設計者や大工の勘に頼ってつくられていました。
そのため、効果を検証することが難しく「家に気密性能は必要ない」や「暖かさを確保するためには特定の断熱材をつかうべき」などの根拠のないウワサがまことしやかに囁かれることがありました。
近年は研究が進み、科学的に検証することができるようになっています。

この稿では、断熱性能について例を挙げて説明します。

建物の設計時に、専用ソフトによって断熱性能を計算します。
木造住宅を対象としたソフトの代表的なものに、
・新住協「Qpex」
・パッシブハウスジャパン「建もの燃費ナビ」
のふたつがあります。

これらの計算の結果、家の燃費を知ることができます。
自動車の燃費性能は「ガソリン1リットルあたり〇〇km走行できるか」で表しますが、
家は「1年間でどのくらいの冷暖房費がかかるか」で表します。

近年は、ゼロエネルギーハウス(ZEH)の普及もあり
これらの計算ソフトを使用する会社も増えているようです。
たいへん喜ばしいことですが、
実はこれだけでは不十分なのです。

計算ソフトで算出されるのはあくまで理論値。
自動車でいえばカタログ値の燃費です。

実燃費を把握する必要があるとともに、
数値には表れない「乗り心地(快適性)」も確かめなければいけません。

わたしたち設計者は、建った住宅の実績値をもとに、
「省エネ性能と建築費のバランスよい、コストパフォーマンスの高い建物とは」
をしっかりと検証し、
「快適な室内環境を得るために必要な断熱性能とは」
を経験的に知っておく必要があります。

そのために、
・建築後の室内(床・壁・天井)の表面温度
・気密性能
・実際の消費エネルギー
などの実測をおこない、自社の建築した建物の性能を
しっかりと検証する必要があるのです。

私たちはこれまで、研究棟や社員宅でこれらの計測をおこない
快適な室内環境を得られる断熱性能を研究してきました。

研究結果はまた別の稿で報告しますので、
お楽しみに。

seki

2019.04.12 update